最近とっても強いカープ!
私も代のカープファンですが、10年前の自分に「10年後に3連覇しているよ」って言ったら鼻で笑われそうです(苦笑)
信じてあげられなくてごめんなさい。
そんな以前は優勝なんて夢のまた夢だったカープが三連覇をするようになるまで強くなったのはどんな理由でしょうか?
それを徹底的に調査してみました!
強くなったのはいつから?
広島カープと言えば、一昔前は万年Bクラスが指定席となっていました。
Bクラスというか5位ですね。
6位が意外に無いのが特徴です。
しかし、昨今ではセリーグの中でも圧倒的に強く、三連覇を果たしているのです。
そもそもカープは、いつくらいから強くなったのか疑問に感じている人は多いものです。
広島カープは2013年に初めてクライマックスシリーズに進出した時から強くなりました。
強さの最大の理由は、毎年スカウトに力を入れている事と育成能力が優れているからだと言われています。
基本的にカープはチームの風潮としてFAで即戦力の選手を獲得することがほとんどなく、とにかく自前で選手を育てる方針を貫いているのです。
若手を圧倒的な練習量で数年後に一人前の選手に育て上げているので、強さを維持できるというわけです。
もはやセリーグでは1番安定した強さを誇る「広島カープ」ですが、そのきざしは2013年から見せていました。
2013年は15年ぶりのAクラス入りを果たし、それまでのカープのイメージを覆す躍進がありました。
これには若手の台頭や助っ人外国人選手の活躍などが要因でもあり、現在の常勝カープの下地を作った時期とも言えるでしょう。
そして現在には、その時期に頭角を現した若手選手達が中心選手となります。
ベテラン選手も含めたチームバランスも非常に良く、チームが三連覇を果たす事が出来た大きな要素となっています。
将来性を見据えたドラフト戦略も効果を発揮し、育成力の高さがうかがえます。
万年Bクラスであったカープが強くなり始めた時期は2013年頃からと言えるでしょう。
マツダスタジアム開場で売上増加
マツダスタジアムの開場で売り上げがアップした事も強さの要因と考えられています。
そもそもカープは以前は広島市民球場という古い球場を本拠地としていました。
立地は非常によく広島市内のど真ん中!
これ以外の行きやすい場所は無いくらいすばらしい場所なのですが、なぜか観客は集まりませんでした。
単に古い球場だからと言うだけではなく、広島県民の特徴も大きく物語っていたと思います。
昔のカープファンの特徴として
4月「今年も、カープが始まったで。まだ始まったばっかりじゃけぇ、もうちょっとしてからいこうかいのう。テレビで応援しよう」
5月「鯉のぼりの季節よ。今年は見にいかんといけんのう。まあ連休は人が多いけぇ、もうっちょとしてからいこうかのう。テレビで応援しよう」
6月「6月は雨がふるけぇのぅ。また夏になってから行こうかのう。テレビで応援しよう」
7月「今は順位が悪いのう。もうちょっとしたら、勝つかもしれん。その頃に行こうかのう。テレビで応援しよう」
8月「夏は暑いけぇのう。テレビで応援しよう」
9月「今年は優勝は、難しいのう。来年こそは優勝じゃ!来年は応援に行くぞ」
と何かにつけて、いかずにテレビ観戦かラジオで済ます感じです(大笑)
しかし、広島カープの新球場としてマツダスタジアムが開場したことでイメージが一変したのです。
新しく完成したマツダスタジアムは、アメリカにある球場をイメージして野球を観たい人以外でも楽しめるように工夫を凝らしました。
例えば、芝生で寝そべりながら観戦できたり、観戦中にバーベキューを楽しめるように様々な取り組みをしたのです。
その結果、以前と比べて売り上げが増えたことで、その資金を補強費に当てられるようになりました。
広島カープの本拠地であるマツダスタジアムは、2014年に観客動員数が190万人を初めて突破しました。
その後のシーズンは、200万人を大きく超える動員が普通となっています。
広島市という人口が100万人ちょっとで、周囲にもそう大きな都市がない、地方の球団が、毎年200万人を集めると言うのはすごい事です。
東京、大阪、名古屋、福岡、札幌などは、都市規模も200万人を軽く超える規模で、周囲にも大きな都市があります。
そのあたりのチームが、毎年200万人や300万人集めるのとは土台が全く異なります。
この異常な数値を出すのが、広島のマツダスタジアムなのです。
しかも、今では、チケットはプラチナ化しました。
球場自体の定員は33,000人くらいですが、もしも、4万人であれば、ひょっとすると、12球団位置ということも考えられます。
実際には、そのような事は無理かもしれないですが、そのくらいの可能性を秘めている球場なのです。
建設前は、広島駅から徒歩10分と言う距離が広島県人には遠すぎると言われた事もありました。
だって、旧市民球場のような最高のアクセスの場所よりも、さらに遠い場所につくって人が来るなんて当時は思えませんでした。
感覚が変われば、変わるもので、JR広島駅から徒歩で10分というのが今では最高のアクセスの良さがあると言われます。
遠方の方には非常に良い立地だったのかもしれません。その便利さも観客が足を運びやすい環境と言えます。
大リーグのスタジアムを意識した造りで、様々な工夫を施しており観客を飽きさせません
2009年に完成したマツダスタジアムですが、当初は球場の新鮮さもあり動員が増加しました。
チームが強くなると共にさらに多くの観客が訪れ、球場でのグッズなどの売り上げも増加していきます。
充実した球場の設備はカープファンだけにとどまらず、他チームのファンからも評判となっています。
カープ女子
広島カープが強くなり、ファンの数も増えていきましたが、その中でも盛り上げに一役買っているのが「カープ女子」の存在でしょう。
カープを応援している女性を指す「カープ女子」という言葉は、広島カープのファンである女子の総称とされ、2014年には流行語大賞のトップテン入りも果たしました。
実は、このカープ女子の存在もカープの強さの秘密です。
そもそも強くなる前までのカープは、休日でも空席が目立つほどにあまり人気がありませんでした。
人気が無いというと語弊がありますね。
球場にまで行って見に行くと言う人が少なかったと言うのと、隠れて応援する人が多かったという印象です。
しかし、テレビなどでカープにはかっこいい選手がいると取り上げられたことをきっかけに球場に足を運ぶ女性が増えたのです。
その結果、平日の試合でもほぼ満員になるほど注目を集めるようになったのです。
ファンが増えれば自然と選手のモティベーションが上がるのは当然のことといえます。
たくさんの広島ファンで埋め尽くされたスタンドは選手にとって大きな味方となり、試合に勝つ原動力になったのです。
2011年頃から球団が行っていた、女性ファンの取り込みも功を奏した模様です。
現在のマツダスタジアムでは女性ファンの数が40%前後とされ、他球団にはあまり見られない傾向となっています。
若手中心のチーム構成も関係し、独身でいわゆるイケメンの選手達が多く、カープ女子が増加している要因の一つでもあります。
他球団の女性ファンも徐々に増加しているのは、このカープ女子の一般化も手伝っているとも言えるでしょう。
ちなみに、一般的にカープ女子は20代の女の子を差すイメージかもしれませんが、広島では、20代どころの騒ぎではありません。
まず、主婦の方が日常的に、カープの手提げかばんを持って歩きます。
他の県の人からして見たら「恥ずかしい」という感覚があるかもしれませんが、広島のカープ女子にはそんな感覚はありません。
夜の買出しに行く時に、カープのかばんを持っていくのは、そんなにおかしな光景ではありません。
また、主婦に限らず、ご年配のカープ女子も顕在です。
ご年配の人でも、球場に行く時には「レプリカユニフォーム」を必ず着用です。
また、日常的にカープのTシャツを着ているおばあちゃんも、ちらほら見かけます。
カープ女子ではないですが、おじいちゃんは普通にカープの帽子をかぶって、カープのTシャツを着て歩く姿を良く見かけます。
ご年配だけに限らず、子どもたちもカープの帽子をかぶっています。
「うん、それはなんとなく分るよ。男の子がカープの帽子をかぶるんでしょ?」って思ったあなた!
それは当然なのですが、小学生の女の子もカープの帽子をかぶっているのです。
こんな感じのピンク色でかわいい系の帽子をかぶっています。
あ!球場に行く時だけではないですよ。
公園とか日常遊ぶ時にかぶるのです。
これが本当のカープ女子です。
球場に行く時だけではないんですね。
アメトークでのカープ芸人特集
広島カープの人気を全国的な物へとした原因の一つが、アメトークで放送された「カープ芸人」特集が挙げられます。
2012年に初の放送がされて、現在では第3弾までオンエアされています。
これは、広島カープをこよなく愛する芸人たちが集結してカープの魅力について語るという趣旨の番組です。
カープファンで有名な芸人などを集め、カープに関する幅広い話題を取り上げました。
その内容やエピソードの面白さも手伝い、カープの注目度が一気に上がりました。
最初の放送時はまだBクラスの常連だったチームが、2016年放送の第3段の時には優勝を果たしています。
アメトークで取り上げた物は話題性がアップする事がありますが、この「カープ芸人」の影響力は特に大きく、普段野球をあまり見ない人達にもカープの魅力のアピールができたようです。
最初にカープ芸人が取り上げられたのは、2012年ですが、この時はそれほど強くなかったので、地方の弱小球団の貧乏話・弱小球団を応援してる者の悲哀などで笑いを取っていました。
基本的に「笑いのネタ」と言う感じです。
カープファンなら見て笑える「そうそう」みたいなことを全国版で取り上げられました。
弱いから取り上げられたって感じですね。
しかし、これまで広島カープ自体が全国区で扱われることがなかったためにこの放送で一躍メディアにも注目されるようになったのです。
それとともに一気に広島カープを応援する人が全国的に増えていきました。応援するものが増えたことで選手もやる気が起こり、常勝球団になっていったというわけです。
全国的な視聴率はそこまでではなかったですが、広島地区では20%を超えたとされています。
事実、私も、その放送があることを知ってからと言うもの、「早く見たい」と毎日そわそわしていました。
実際に、そのオンエアの日になったら、いつもは、聞こえない、近所の家から深夜にもかかわらず笑い声が多く聞こえました。
かなりの広島県人が見ていたと、雰囲気で実感しました。
実際は、気になっているけど、声に出しては応援しにくいと言うのが2012年くらいだったと思います。
それが、全国的に取り上げてもらって、少しずつ「カープファンって宣言してもいいんじゃないの?」って空気に変わってきたような気がします。
他球場での人気
チームの強さや、カープ女子の出現などでマツダスタジアムの観客動員数は増加しました。
これはビジターである他球場においても、その傾向が見られています。
チームが強くなり始めた2013年頃を境に、年々他球場でのカープファンの数が増えていきました。
2011年あたりは165万人前後だったビジター動員数が、2015年には210万人を超えています。
大幅に増加した事を受け、他球場も広島カープファンの取り込みに注目していっているようです。
例としてヤクルトスワローズでは、カープファン向けに神宮球場の外野席を半分提供しています。
これは約8000席となり、埋め尽くした観客が外野席を赤く染めていて、球場の熱気を高めています。
広島カープというのは、他のセリーグの球団と違って他球場でもとても人気があるのも強さの理由です。
神宮球場
甲子園球場
横浜スタジアム
東京ドーム
ナゴヤドーム
こんな感じです。
赤なので目立ちます。
なぜ、他球場でカープファンが多いかというと。
私の勝手な見解ですが。
広島の方は、地元愛が非常に強い方が多いです。
広島が大好きなんですね。
広島に生まれた事を誇りに思っている人が多いと思います。
私自身もそうです。
それは、他県の人も言えるでしょう。
ですが、一つ大きな違いがあると言う点は、「カープ」を通じて「広島県人だ」と言う誇りを持てるという点です。
カープを応援していると、広島の事を思い出せるというか、カープ自信が心の支えと言うか、心が安らぐのです。
心地よいのがカープなのです。
それを、転勤先や、何かの理由で、広島以外の県に住むようになった人が、広島を感じる為に、カープを見に行くという方が多いと思います。
また、広島県人は、カープに誇りを持っています。
そのため、その誇りを持っているものを勧めたくなるのです。
実際に、カープの応援は、スクワット応援があったり、ジェット風船があったり、初心者でも楽しめるものが多いのです。
そのため、球場に知り合いを誘いやすいのです。
その結果、特にどこのファンでもなかった人がその影響で「カープファンになった」というケースが割と多いです。
事実、私も、普及活動を自然と行なっています(笑)
そういったことが昔から積み上げられてきて、広島県人でも無い方が、カープファンになって、多球場で応援するというのが今花開いているように感じます。
団塊の世代ジュニア
私の勝手な意見ですが。
カープファンには3つの世代があります。
- 初優勝前の弱い時代から知っている世代
- 昭和50年代の黄金期から知っている世代
- 黄金期が終わり弱い時代から知っている世代
この3つです。
1の世代は、カープ創設から優勝までの苦労の道のりを知っている世代です。
55歳以上くらいの方がそれに当たるでしょうか。
弱いカープが強くなって、黄金期を迎えて、また弱くなり、それがまた復活して最近強いと思われているでしょう。
ちなみに、私は、2になるのですが、私の感覚は、違います。
黄金期から知っているので、昔の弱い時代を知りません。
2の世代は、最初が強かったので、強い頃から、弱くなって、今また強さが戻ってきたと言う感覚です。
3の世代も、1の方と同様で、強い時代を知らない世代です。
この2の世代が「団塊ジュニア」世代前後の世代です。
基本的には、団塊世代ジュニアと呼ばれる人たちは1971年から74年の世代と言われています。
この前後5年くらいの間にいる人が、今、現在40代であり、まさに現役世代です。
この時代の人たちは広島黄金時代と言われた時期に小学生中学生だった時代であり、多感な思春期の時期に黄金期を経験しています。
その後、低迷した時期を経てここに来て三連覇という広島黄金期の時期ですら達成できなかった記録を達成し、ファンは大喜びです。
私の事を考えれば、それがちょうど被さるのですが、小学生のころは、みんなカープの帽子をかぶっていました。
赤が、強さの象徴。
「今年は優勝できなかったけど、たまにはそんな年もあるよね」くらい余裕な感じです。
優勝できなくても、必ず優勝争いには入っており、Aクラスは当然。
団塊の世代ジュニアにとってのカープは強いのが当たり前という感覚で育ちました。
それが、たまたま弱くなったのが、2000年代と言う感覚です。
子どもの頃、「強いカープが当たり前」と言う感覚で育った世代が、親になり、自分の息子や娘とカープを一緒に見る。
- カープグッズを着せる。
- カープの帽子を買う。
- 球場に足を運ぶ。
こんな事を自然と行なっています。
この「カープは強いのが当たり前」という活発的な世代が、球場に足を運んでいるというのも大きいかなと思います。
広島の試合であればどんな試合でも見に行くという人は関東圏にも多く、首都圏での試合をすべて網羅し、広島の試合も休みを駆使して見に行く人が意外と多いです。
団塊世代ジュニアはお金の余裕も出てきており、広島の試合にならいくらでもお金を使うため、こうした人たちの応援が影響しています。
逆指名制度の廃止とFA制度
上記までは、強さを支えるファンについて書いてきましたが、実際の野球に関する部分のお話もしたいと思います。
逆指名制度、という制度がかつてあり、選手の側が希望する球団を表明することが出来る制度がかつて存在しました。
これにより人気球団である巨人や阪神は多数の有望な選手の獲得に成功した反面、広島県局地に人気を誇っていたカープは目玉選手をうまく獲得できない冬の時代を迎えます。
カープが勝つためには小粒な選手であってもしっかり育成し、一軍の戦力として活躍させる手段を除いて他にはありませんでした。
昔は、カープの人気は全く無く、それは、選手になりたいという「プロ野球選手の卵」の方にも影響していたと思います。
昔のカープのイメージは
- 地味
- 地方球団
- 練習がきつい
- 貧乏球団
まあ、こんな感じです。
自分で言うのもなんですが、よくこんなチーム応援しているなと思いました(大笑)
実際広島県人はこんな事思っていませんが、他の県の人からして見たらこんなイメージでしょう。
普通の感覚で考えて、地味な地方球団の練習がきつくて給料も少ないようなところに普通は行きたいと思いません。
なので、逆指名などでは、事前に断られるケースも多かったのではないかと思います。
1993年から始まった逆指名制度は自由獲得枠や希望枠などに形を変えながら、数年前に廃止されました。
これが、大きかったように思います。
広島はこうした競争に参加することなく、自然な形でドラフトに参加していましたが、なかなか戦力を整えることが難しく高卒の選手を猛練習で育てることをしてきました。
カープは、人気で取るのではなく、どれか一つでも良いので、良いところがある選手を発掘し、その選手を鍛えて、育てるという球団です。
昔からそうでした。
ですが、逆指名制度によって、良い選手の発掘ができないと言うジレンマがあったように思います。
逆指名制度が廃止されたことで育成力の勝負へと変化し、結果的に広島に有利に働くことになります。
FA制度も同時期に始まり、こちらも広島は基本的には競争に参加せず、FA宣言をした選手に対して残留を認めないという強い姿勢をとっています。
参加して欲しいと思った時期もあります。
別に、FAで取得するのが悪い事だとは思いません。
ルールですし、選手の権利です。
自由に使ったらよいと思います。
ですが、広島からは、出て行くばかりで、入ってくることが無いのでイメージとしてはあまりよくないと言うのがカープファンの本音でしょう。
- 良い選手が獲得できない
- かろうじて育てた選手は、FA宣言で出て行く
- 選手流出で弱くなるので、即戦力を求める
- 若手で、じっくり育てたい選手を1軍で試しにくい
- 勝つために、良い選手から使わざず、故障するまでトコトン使う
- 選手が1年でダメになったり、故障が増えて離脱者が増える
- 結果メンバーが揃わない
- 優勝を知るメンバーもいなくなる
- 勝つことさえ忘れてしまい、それが当たり前となる
こんな悪循環がずっと続いていたように思います。
いつの間にか、ファンも弱い事に慣れて、「今年は優勝するぞ!」なんていうと鼻で笑われるような時代もありました。
自分で「いやいや今年は違うんだって」と言いながら心の中では「絶対無理」って思っていました。
今では、逆指名制度も無くなり、カープ自体のイメージも変わりました。
それにより、良い選手が獲得しやすくなったように思います。
また強いので、多少負けても良いという余裕も生まれ、若い選手にチャンスを与えるとか、ベテラン選手を休ませるという昔では考えられなかった采配ができるようになりました。
以前は選手の流出が続きましたが、球場も変わってお客さんが入るようになり、お金の余裕ができたことで流出は抑えられている状況です。
10年以上の期間を費やして育成システムを構築し、マネーゲームになりがちなFA選手の獲得競争には動かず、ただ自前で上手い選手を育成する意識が2018年の現在まで残存していることこそが広島カープの現状を支えるものであり、育成が球界全体を巻き込んだムーヴメントにまで成長した理由でもあります。
ドラフト戦略と独自の選手育成システム
広島カープのコーチ陣の優秀さは目を剥くほどであり、こと育成においてカープに比類する球団は他にはなかなか挙げられません。
カープの育成を担ってきたコーチが移籍すると、移籍先のチームの打線が息を吹き返すようになる、というのも魔法じみた効果ですが事実として認められることです。
独自の育成システムを採用し、一軍に焦って送り出すことは決してしません。
守備や打撃など、全て基礎が見に着いたところで一軍に送り出すため、一軍の舞台ではじめは上手くプレーできなくてもやがて水に慣れ、戦力として一人前に活躍するようになります。
カープのドラフト戦略でのポイントは、メンタル面と1つの優れた才能と言われています。
厳しい練習に耐えられるかどうかをじっくり見るそうです。
また、打撃が悪くても、走力がよければ取るといったどこか、抜きん出たものがある選手を多く取ると言う戦略をとり、足りない部分を練習で補い、良い部分は更に引き伸ばします。
選手指名の方針が身体能力の高い選手、という基本があり、高卒で入団した無名の選手が気づけばタイトル争いを演じていることもしばしば、というのが広島カープの凄さである、と言えるでしょう。
広島には多くの有能なコーチがいます。
元々広島で活躍した選手や長らくコーチを務めてきた人が多く、猛練習を課してきた人や実際にそれを経験して結果を残した人がタッグを組み、練習をすることが当たり前の環境を整えてきました。
このため、何の強制もせずに午前中からの練習に自主的に参加する選手が多く、練習をすることを前向きに、当たり前のように取り組む選手ばかりとなっています。
一方で二軍の球場は山口県岩国市にある由宇練習場ですが、こちらは二軍選手を鍛えるためにグラウンドが大変広いのが特徴です。
しかも二軍の試合が行われるにもかかわらず、練習ではお金をとれないと無料で試合を見せるなど独自のシステムが垣間見ることができます。
カープ自体がブランド化
カープ女子という言葉があるように、近年のカープはブランド化しつつあります。
球場が新しくなった時期から若い人も球場に来るようになり、段々と若手が育ち始め、面白い野球をし始めたことでカープに対する期待が高まりました。
若手のイケメン選手が多く在籍していることも多くの女性ファンの獲得につながっています。
以前はこうした女性ファンに対し、旧来のファンはあまりいい顔をしていませんでしたが、カープが強くなり、それによって多くのお金が入ってうまく強化に使えている背景もあってそうした声は薄らぎつつあります。
関東圏でもビジター席が広島の赤いユニフォームでいっぱいになることが多く、カープそのものがカッコイイと思われるようになっています。
2016、2017、2018年とセリーグでは巨人以来となる3連覇を果たした広島カープには00年代の弱小球団の面影はありません。
基礎のしっかりした、攻守ともにハイレベルでお手本のような野球をする、と現在では野球ファンから絶大な評価を集めています。
あの強気な赤のユニフォームも胸を張って着られるものになり、今では野球に詳しくない人にさえカープが優勝するくらい強い球団として認知され、好きな球団の上位に躍り出るほどのブランド球団と言われるようになりました。
これまででは想像できないようなスター選手の宝庫となった広島カープの黄金期はまだまだ続くでしょう。これまでの育成経験に基づいた慧眼に今度はどの選手が見いだされ、ヒーローになっていくのでしょうか。
勝ち癖がついた
広島カープは前述のとおり、毎年最下位争いを演じるようなチームでした。
前田健太投手や黒田博樹投手という名だたる名選手を抱えていながら、ここ一番で勝負弱く辛酸を舐めるシーズンをたくさん経験してきたことは事実です。
FAによって毎年のように主力選手が流出し、個人タイトル争いを演じられる選手の活躍を見ることだけが楽しみ、という時代もありました。
しかし、近年はこのチームからそういった負け癖を感じることはありません。
チーム全体が勝ち味を知り、またギリギリの勝負で勝ち切るノウハウを手にしたのが現在の常勝集団、広島カープです。
チーム全体で見ている方向が全く同じで、文字通りの一丸野球を展開し一気呵成に勝負を決めてしまえるのが現在のチームの強みです。
1回優勝をすると、どのように勝てばいいのかというのが分かるようになり、広島ナインは自信をつけ始めてきました。
接戦での勝ち方やどんな状況でも諦めない姿勢は勝っていく中で学び、勝者のメンタリティを会得することになります。
いわゆる勝ち癖というものがついたことにより、そう簡単には諦めないという姿勢につながったと言えます。
負け癖がつくと逆転された後に意気消沈することが多いですが、広島のように勝ち癖がつくとむしろ逆転されたり勝ち越されたりした方が熱くなりやすく、結果的に勝利につながる傾向にあります。
私自身、3年前の25年ぶりの優勝のときは非常に感動しました。
ですが、その年、「来年以降はもう無理」って思っていました。
勝てる気が全くしませんでした。
ですが、昨年開幕してからのカープの強さを見て「選手が変わった」って思いました。
おそらくメンタルで「勝てるイメージ」というのがついたのだと思います。
そのイメージが続いているので、今年三連覇できたのだと思いました。
V7の時は、黒田選手の引退
V8の時は、石井、河田両コーチの退団
V9の時は、新井選手の引退
など、毎年のように危機が訪れていますが、もう、そのような事は気にせずともやっていけるような土壌が出来上がっている気がします。
不思議なもので、ファンの勝ち癖もついているように思います。
私自身「広島弁ってどんなの?」と聞かれた時に、大げさに広島弁を話す時の例え話として
「また、昨日もカープが負けたけぇ面白うないのう」
という感じのたとえが多かったように思いますが、最近では
「昨日もカープが勝ったけえ、気分がええのう」
って変わりました。
三連覇でファンも完全に勝ち癖がつきました。
三連覇をし、戦力がこれからピークを迎える中で巨人が達成したV9(巨人の場合連続日本一を差しますが、カープの場合はリーグ優勝という意味で)を超えるV10を達成する可能性も十分に考えられます。
冗談抜きでそのような事を想像してもおかしくないような環境が整っているのではと思います。
まとめ
カープの三連覇の秘密について書いてきました。
私自身、野球経験者でもなく、解説者でもなく、そこまで野球に詳しいわけでもない、単なる広島県出身の一カープファンです。
なので、知っている人からしてみると「そうかなー?ちょっと違うんじゃない?」みたいな意見かも知れません。
まあ、そんな事はどうでも良いのです(大笑)
カープを通じて楽しめればそれでいいかなーって感じです。
にわかファン大歓迎です!
その分応援に行く機会が減っても、カープを応援してくれる人が増えて、カープが強くなって、またファンを増やしてもらえたら、それが私の喜びです。
今年はマツダスタジアムには全くいけませんでしたが、代わりに多くの方が行ってくれて応援してくれています。
また、人気がなくなることも来るでしょう。私は、またその時に行ければ良いかなと。
カープを通じて盛り上がれる人が増えてくれればなって思っています!
もしもカープが少し好きになって応援してみたいなと思ったかたはぜひ球場に行ってみてください。
楽しいですよ。初心者の人が行く時のアドバイスをまとめた記事を別で書きました。